しばらく多忙でブログの更新もままなりませんでしたが、たまには本業のPCサポートの話題など書きたいと思います。
現在の商売をはじめてかれこれ17年くらいになりますが、その頃はWindows95が全盛でインターネットの一般向け利用が徐々に広まっていった時期であり、主な通信回線がISDNで帯域幅が64kbpsという、現在から見ると隔世の感すらあります。
しかし、廃れていった技術やノウハウも多数ある中、これだけ進歩しているのに相変わらずのトラブルというものもあります。
そんな時代を超えて(?)今も続くPCのトラブルの一つが、PC内部にゴミや埃がたまって動作不良になる、というものです。
コンピュータ技術の世界では昔から筐体内部に蓄積する熱をどう処理するか、ということに腐心してきました。最初の頃は筐体にスリットを開けて自然に放熱していたものが、次第に発熱量が大きくなりただスリットを開けただけでは筐体内部に熱の勾配が発生してしまうようになり、筐体内のエアフロー(空気の流れ)を考えた構造設計がなされるようになりました。
それでも足りなくなると、ファンを取り付けて強制的に熱い空気を外部に放出するようになりました。そのファンも最初の頃は電源部に取り付けられていましたが、それだけではさらに足りなくなり、特に熱を出すようになったCPUにヒートシンクという放熱板を取り付けて、効率よく熱を排出しようとしました。
ところが、CPUの消費電力は年々増加し、それにともなって発熱量もどんどん大きくなりました。ついにCPUのヒートシンクにもファンを取り付けて、強制的に排熱するようになったのが、私が開業した頃の状況です。
今では、CPUと電源だけでなくビデオカードや本体ケースにもファンが付いていて、PC1台にファンが3個、4個という構成も珍しくありません。

さて、筐体内にファンがあり内部の熱い空気を排出しているということは、その分外部の冷たい空気を吸い込んでいるということにもなります。空気を吸い込み吐き出すということは、それにともなって埃や綿ゴミなども吸い込んでしまうということになりますが、この吸い込んだゴミが内部にたまってくると空気の通り道を塞いでしまい、エアフローが確保できなくなります。
PC内部に熱がこもると、様々な障害が引き起こされます。内部の部品が劣化し寿命が縮むということも起きます。
調子の悪いPCをお預かりして、筐体を開けると綿ゴミぎっしりという状況は、開業以来相変わらず遭遇する状況ですね。幸いにも、汚れたPCをきれいにするのは大好きなので、毎日楽しくクリーニングしております。皆様もたまにはご愛用のPCをきれいにしてあげて下さい。