2013年08月06日

親日と知日は天と地ほどの違いがある



 お隣、韓国の朴大統領が大統領秘書室長など側近に知日派を起用したとのことです。
 大昔、ロシアでプーチンが大統領に就任したときも、柔道を嗜む知日派大統領として我が国では歓迎ムードになったことがありました。北方領土問題の進展も期待する向きが多かったのですが、結果は今日までの通り。
 この手の話でいつも出てくるのが、日本を知る人だから話がしやすい、という論評です。

 とんでもない!

 「日本を知る」イコール「日本を好き」ではありません。どういうわけか、毎度こういったお気楽な話が出てくることに、我が国はなかなか進歩しないなぁ、とガッカリしてしまいます。
 上記の記事で特に注目されているのが政務首席秘書官。日本語は完璧で日本に知己が多く日本側では「突っ込んだ話ができる人物」として評価が高い、と書かれていましたがこれを素直に捉えれば交渉相手として厳しい相手であるということです。つまり、日本語が完璧でこちらの状況にも明るいのですから、細かいニュアンスや腹の中まで見透かされるということです。
 兵法書の孫子に曰く、

 彼を知りて己を知れば、百戦して殆(あや)うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆うし。

 とあります。
 今回のケースでは、相手は少なくともこちらの状況について高度に理解している可能性が高いと言うことですから、少なくとも五分五分以上の成果を期待できますが、こちらは通訳が必要な状態だとしたら様々な交渉で不利な状況に置かれることでしょう。
 親日になってもらうための一歩目は知日であるかも知れませんが、知日が必ず親日に進むわけではありません。勝つために敵を知るという理解もあるのです。
posted by しらいし at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・行政

人気ブログランキングへ