
どれも大変難しく複雑な政策ですが、ポスターや公選ハガキでは紙面が限られるため、表題のようにキーワードだけを掲げるしかありません。街頭演説ではもう少し詳しくご説明することができますが、演説はその瞬間だけのものなので、ブログにも記しておこうと思います。
■雇用について
雇用というキーワードに集約していますが、平たく言うと産業振興や企業誘致ということになります。ほとんどの候補者が口にしているフレーズですが、言う程簡単なものではありません。
私が注目しているのは、北海道新幹線の開業と農業の振興です。開業まで1年を切った北海道新幹線は、いろいろとデメリットも指摘されていますが、しかし半世紀に一度くらいあるかないかの大きな変化には違いありません。そして、変化はそのままでは振り回されるだけですが、しっかり取り組めばチャンスに転じることができます。
北海道新幹線の開業によって、関東・首都圏とのアクセスが改善されることはもちろんですが、東北経済圏とはより短時間でアクセスできることになります。道南と東北の歴史的な縁は、私たちが思っている以上に深いものがあります。経済活動は突き詰めれば人と人の結びつきによって成るものです。歴史的な縁は必ずなにがしかの果実を生み出すものなのです。
農業については、世界の食糧事情から将来の予測がつきます。かつて世界には、全人口の1.5倍から2倍くらいの穀物生産力がありました。しかし、ここ数年その差は縮まっており、食糧自給率(カロリーベース)が4割程度の我が国にとって、これは全く歓迎できないことですが、農業・水産業などの1次産業が基幹産業の北斗市にとっては生産品を高値で売れるチャンスと捉えるべきです。
しかし、そのチャンスが訪れるまで農地を保全し担い手を確保しなくてはならず、それを農家の自助努力だけでまかなうのはいささか無理があります。そのためにも効果的な農業政策を打つことはとても重要です。
■防災について
私は、8年以上の海上自衛隊勤務とその後の18年に及ぶ予備自衛官としての経験を積んでいます。衣食住が失われたり滞ったりしたらどうなるのか、その時どのようなストレスがかかるのか、どのように行動し、どうしたら困っている隣人を救助できるのか、様々な教育と訓練を受けました。
そんな私だからこそ、見えるものがあります。市町村などの地方自治体は消防を除き「平時の役所」です。普通の職員は、炎に包まれた建物の中に飛び込んだこともなければ、作業服のまま首まで水に浸かって作業をした経験もありません。何日も風呂にも入れず、冷たくて訳のわからない味の食事しか摂れず、堅い床や地面で寝て過ごしたり、2時間おきに寝たり起きたりなどという無茶苦茶な目に遭うこともありません。しかし、自衛官はそういったことも訓練で経験します。だから本番に強くて、困難な状況におかれても簡単に士気は下がりません。
そして、大規模災害時には同じ地域の住人でもある自衛官は、同じく被災者なのに被災者として振る舞うことは許されず、また望みもしません。それが任務なのですから。
しかし、市役所の職員などはそういった訓練や経験がないにもかかわらず、大勢の被災者を支えなくてはなりません。自らも被災者なのに、そこを抑えて人のために働くことは、大変ストレスがかかるはずです。だから平時から少しでも多くの経験を積まなくてはなりませんが、そのために私自身の知識と経験を役立てることができると思うのです。
■福祉について
ここでいう福祉とは、広義の福祉である「公共の福祉」ではなく、高齢者や子育て世帯など一般的に社会的な保護を必要としている件についてです。
私はもともと高齢者という言葉は嫌いです。単に年齢が高いという意味しか持たないこの言葉に、尊厳を感じないからです。ですから、状況が許す限り「お年寄り」や「ご老人」、場合によっては「先輩」と呼ぶようにしています。
今日までこの国と地域社会を築いてきたのは、そのお年寄りでありご老人であり大先輩達です。70年前、焦土と化したこの国を立て直したのも先輩達であり、150年ほど前に西洋列強の植民地政策を寄せ付けず、近代化への道を歩んだのも先輩達。世界に誇る様々な文化や芸術を生み出したのも歴史上の大先輩達です。
私たちのような、より若い世代はこの先輩達が築いた国と地域社会で生まれ育ち、これを引き継ぎ、よりよいものにしなければなりません。そして、艱難辛苦に耐えた先輩達に敬意を持って接し遇さねばなりません。
そのためには、まず先輩達を尊敬し誇りを感じてもらわなければなりません。私はこの先輩達を高齢者と称して社会的弱者として扱うことに疑問を感じます。
そして、社会をより良くしていくためには、次世代を育んでいかなければなりません。そのためには、子育て世帯に手厚い政策を立案実行していくことは自明の理であると考えます。
■教育について
先にも述べましたが、次世代を育んでいくことは社会をより良くしていくための絶対条件です。公共事業というと、道路や橋、上下水道などの整備や施設・建物などの建設をイメージしますが、最も価値のある公共財は社会を構成する「人」そのものです。その人をつくるための教育こそ、最高の公共事業なのです。
長期の展望を持った教育行政は何にもまして私たちの将来を担保してくれます。歴史をひもとけば、教育をおろそかにした国に長期の繁栄と生存はありません。
以上のような内容の街頭演説をしております。それぞれの内容はおおざっぱなものですが、もっと詳細に語ると時間がかかりすぎるので、どうしても概念論的にしかなりませんが、どこかで見かけたときにはお耳を貸していただけると光栄です。