2021年10月28日

道南開発予算についてちょっと考察してみました

 11月19日公示、31日投開票の衆議院議員選挙もクライマックスに入っておりますが、ここ北海道第8選挙区でも与野党2人の候補が激しい選挙戦を繰り広げております。
 道南では長く野党(一時期与党)の立憲民主党(旧称 民主党とか民進党)の代議士(現職は逢坂誠二氏)が選出されており、そこに与党の元職 前田一男氏が挑戦するという構図となっています。
 両氏による討論会も開催されていますが、そのうち地元のケーブルテレビで見た討論会でいささか気になる議論があったので紹介したいと思います。
 それは与党の前田氏は「野党では開発予算を1円も引っ張ってこれない」と訴えたところで、野党の逢坂氏が「事実に反する」として反論するところです。

野党であっても予算は確保できる?
 逢坂氏のSNSなどで見かけたことがある北海道開発局の函館開発建設部の開発予算の推移(2012年から2019年)のグラフで示されている主張ですが、「2014年以降予算は右肩上がり」なので野党でも予算は増額されているという趣旨と思われます。これについておや?と思うところがありましたので、ちょいと調べてみました。
[以下のグラフはクリックすると拡大します]
chart1.png
(グラフ自体は同じデータで私が作り直しました)(単位は百万円)

確かに、2014年以降は右肩上がりなので野党の逢坂氏であってもしっかり予算は確保されている、という主張は正しいもののように見えますが、このグラフに北海道開発局全体の予算(オレンジの折れ線)を加えて推移を比べてみたのが次のグラフです。
chart2.png
 (北海道開発局全体の予算との推移を比べるため、函館の金額は左側、全体の金額は右側に示しています)

 グラフを見ると一目瞭然ですが、北海道全体の予算と函館開建予算の推移はほぼ同じです。つまり、地元の代議士は何らの影響も行使しておらず、単に全体に対する一定の割合で割り振られているだけという話です。
 しかし、それでは与党の代議士がいても同じでは?という話にもなりますね。そこで、推移を比較するグラフではなく実際の金額で並べたグラフを見てみましょう。
chart3.png

 当たり前ですが、函館開建のグラフはずっと下で推移もわからないくらいですね。道南は北海道の一部分なのですから当然です。
 ところでこの両者の棒グラフ、何倍の差があるかというと約20倍です。函館開建の予算は全体に対して約4.4%から5.2%で推移しています。

道南の開発予算は一人あたり約4割少ない
 開発予算の割り当ての根拠は人口や面積だけでなく様々な事情があるため単純ではありませんが、それでも人口で比べますと、北海道の人口約528万人に対して渡島・檜山の人口は約43万人。割合にして約8.1%です。
 つまり、8%の人々に対して5%の予算しか割り当てられていない、というお話です。本当なら現状の1.6倍の金額で人口比と同じ。平たく言えば渡島・檜山は北海道の中で冷遇されている、ということです。
 これでは地元経済が冷え込むのも当然ですね。
 では、なぜこんな状況になっているのか。ここからは私の推測ですが、やはり長らく野党の代議士しかいなかったからではないか、ということです。

道南に野党の代議士を選ぶ余裕があるのか
 北海道8区では、かれこれ4半世紀にわたって野党の代議士がほぼ当選し続けております。中選挙区の時代でしたら与野党両方いるという状態ですからよかったものの、現状の小選挙区ではどちらかが比例復活しない限り両者並び立つというわけにはいきません。となると、野党が強ければ与党の代議士はいなくなり、今日のような状況になります。
 今回の総選挙では野党は分配が先だ、という主張をしており確かに一理あるとも思いますが、それは背景となる地域経済力が大きな場合の話です。
 はたして、道南にそのような大きな経済力の余裕があるのでしょうか。なければ国から引っ張ってくればよいと野党は訴えるでしょうが、国政を率いているのは与党です。そんな野党代議士の要求をすんなり受け入れるでしょうか。

 多様な代議士によって国会を構成し、盛んに議論することは健全な議会制民主主義にとってとても大切なことです。しかし、人口減少や経済の衰退に苦しむ地方にとって、野党の代議士を選び続けることは過ぎた贅沢ではないか、これが私の結論です。
posted by しらいし at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・行政
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